デジタルピアノの選び方〜購入後に後悔しないための5つのポイント

たくさんのモデルが発売されているデジタルピアノ。選択肢が多いのは嬉しいことですが、どんな1台が自分に合っているのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。ここでは、購入の際にチェックするべきポイントを紹介していきます。

ポイント1:本体のデザインや大きさ

デジタルピアノを自宅に置くことになった時、一番に考えるのが「部屋のどの場所に置くか」ということではないでしょうか。本体の大きさは年々スリム化され、今では奥行き30cm未満という、デジタルピアノとは思えないようなコンパクトなモデルも珍しくありません。

そこで家具を買うように、まずはどの大きさまで置くことができるかを考え、購入モデルを絞っていきましょう。また、サイズ感だけでなく、好みの見た目であるかどうかも選ぶ上では重要なポイント。黒く光沢のある塗装を採用したグランドピアノのようなものから暖かみのあるウッド調仕上げまで、表面の塗装にもいろいろな種類があります。ボディの色も、ローズウッド、ウォルナット、ブラック、ホワイトなど多彩で、フォルムもシンプルでスタイリッシュ。デザインによっては部屋の雰囲気を変えてしまいかねないので、ここは十分に検討したいところです。

構造的には、本体と脚部が別々になっているポータブルタイプと一体型のキャビネットタイプがありますが、ポータブルタイプであれば自宅の外にも簡単に持ち運べます。

YAMAHA CLP-785PE

YAMAHA CLP-785PE
出典:ヤマハ(製品ページ→

黒鏡面艶出し仕上げで、アコースティックピアノのような佇まい。

CASIO PX-S1100

製品写真
出典:カシオ(製品ページ→

奥行232mmという、ハンマーアクション付き88鍵盤搭載のデジタルピアノとしては世界最小サイズを実現したポータブルタイプのモデル。

ポイント2:鍵盤の材質とタッチ感

デジタルピアノの鍵盤には、大きく分けて、プラスチック製(樹脂製)と木製の2つのタイプがあります。プラスチック製の鍵盤は比較的軽いタッチのものが多く、力の弱いお子さんでも簡単に音を鳴らすことができます。しかし本格的にピアノを演奏しようとすると、表現豊かに弾くことが難しく、鍵盤がカチカチと鳴ってしまう点も気になるかもしれません。

そんなプラスチック製の鍵盤の中にも、グランドピアノを彷彿とさせる象牙調の鍵盤があります。材質こそプラスチックですが、表面に適度なザラつきがあり、指にしっくり馴染むので、アコースティックピアノに慣れている人はこのタイプを選ぶのもオススメ。一方、アコースティックピアノと同様に木材で作られた木製鍵盤は、程よい重さがあるので、いわゆるピアノ的な弾き心地を感じられます。お値段は少々張りますが、将来的にもピアノを続けたいと考えている方は、このタイプが良いでしょう。

鍵盤に関しては、どのメーカーもとても力を入れています。打鍵時にグランドピアノのアクションが動作するような“カタッ”という感触や、低音部では重く、高音部に行くほど軽くなるピアノ本来のタッチの再現など、アコースティックピアノさながらの弾き心地は今や当たり前。鍵盤のタッチは、その後の上達にも影響する重要なポイントです。楽器店などで弾きやすいタッチかどうかを確認し、目的に合ったモデルを選びましょう。

YAMAHA YDP-164

製品写真
出典:ヤマハ(製品ページ→

白鍵は象牙調、黒鍵は黒檀調の鍵盤を備えたエントリーモデル。

ROLAND LX706

製品写真
出典:ローランド(製品ページ→

木材と樹脂のハイブリッド構造による最新鍵盤を搭載し、グランドピアノのような弾き心地を実現。

ポイント3:ピアノの音色

鍵盤を押した時に、どれだけアコースティックピアノに近い音が出るのかという点はとても重要なポイントです。演奏する際は、耳で聴いた音に対してどう変化をつけていくかを考えるので、その音が本格的なものでなければいくら練習しても上達は遠のいてしまいます。そのため、理想とする音が出せる楽器かどうかを選ぶ基準にしてみましょう。

多くのデジタルピアノは、高品質のグランドピアノの音を1音ずつ録音(サンプリング)したものを、内蔵&再生することでリアルなサウンドを生み出しています。同じ“ド”の音でも強弱の違いによって音色は変わりますが、デジタルピアノの場合はppからffまで幅広く細かなデータを内蔵することで、自然で滑らかな音色変化を実現しています。

それだけに留まらず、他の弦との共鳴やダンパーペダルを踏んだ時の弦の響き、さらにはスタッカートやレガートなどの弾き方による減衰の違い、ペダルを踏む深さや速さによるサウンドの変化も再現。音の感じ方はスピーカーの数や質によっても左右されるので、より臨場感を味わいたい方は、4機以上のスピーカーを備えたモデルがお勧めです。

KAWAI CA99R

製品写真
出典:カワイ(製品ページ→

世界の国際ピアノコンクールに公式採用されているピアノの音を録音し、スピーカーにも徹底的にこだわったモデル。

CASIO GP-510BP

製品写真
出典:カシオ(製品ページ→

3つの名グランドピアノの音色を収録し、その響きや表現力を追求したモデル。

ポイント4:機能性

生のピアノにはないデジタルピアノの良さは、何と言ってもさまざまな機能が搭載されている点でしょう。自分の演奏を記録できる録音機能はもちろん、ゲーム感覚でピアノを楽しめるコンテンツが多数用意されているモデルもあります。

中でもレッスン向けのモデルは、独学でピアノを習得するのに最適。次に弾くべき鍵盤の位置とタイミングをランプでガイドしてくれたり、メロディを弾くと自動的に伴奏やリズムを付けてくれる機能など、初心者でも演奏する喜びを存分に味わえます。さらに機種によっては、スマートフォンやタブレットなどの端末と連携できるものも。Bluetooth接続することで、端末内の音楽をデジタルピアノのスピーカーで鳴らして音源と一緒に演奏したり、専用アプリを使って内蔵曲の楽譜を表示させるなど、あらゆることが可能です。

また、ピアノ音色に限らず、ストリングスや管楽器の音が充実しているモデルも多く、中には500種類以上の音色を内蔵しているようなものもあります。ただピアノを弾くだけであれば機能はそこまで必要ありませんが、ご自身がどのようにピアノ演奏を楽しみたいかを考え、用途に合ったモデルを選びましょう。

YAMAHA CVP-809

製品写真
出典:ヤマハ(製品ページ→

Bluetoothオーディオ接続はもちろん、本体にマイクを接続するとカラオケまで楽しめる。

ROLAND LX705

出典:ローランド(製品ページ→

アプリと連携することで練習履歴を自動記録してくれるなど、独学での上達を手助けしてくれるさまざまな機能が満載。

ポイント5:価格

デジタルピアノとひと言で言っても値段はさまざま。高価格帯から低価格帯まで幅広く用意されています。

一番安いモデルで5万円以下、高いものになると100万円を超えるものもありますが、ここまで価格が違う理由は、鍵盤の材質や機構、音のクオリティ、スピーカーの数や性能、ペダルの踏み心地などで差をつけているから。弾き応えのある音と鍵盤でピアノらしく弾けるのは、10万円ぐらいからと考えてください。長く弾き続けるのであれば、15〜20万円以上のものをお勧めします。

何を目的にデジタルピアノを購入するのかを基準に、価格との兼ね合いで選びましょう。

YAMAHA N3X

出典:ヤマハ(製品ページ→

グランドピアノに限りなく近づけた鍵盤のタッチ、立体的で奥行きのある音を再現するスピーカーシステムなど、最高級のデジタルピアノ。

KORG B2

製品写真
出典:コルグ(製品ページ→

低価格のビギナー向けモデルながら、有名なグランドピアノの音色をはじめ、選び抜かれたサウンドを内蔵。